こちらも資料は無く、写真だけでした。
針金アーカイブ
1、08年実生の09年1月の状態
コナラは、趣のある紅葉であり、秋の風情が楽しめる樹種です。
根の部分が太る性質が在りますので、ゴロ土や、網を使用した実生つくりで面白い根が出来ます。
然し、全て狙い通りとはいきませんので、前年の実生に針金で曲付けし、仮植えしておき3月の芽吹き時に鉢植えする方法を紹介します。
※根の方が幹より太い
2、針金で曲付けした様子
針金を掛け、狙いの樹形を想定した曲がりを付け、古木感を期待します。
この時、小根の切除はせず置き3月の植え付け時に切除します。
複数本ある場合は、樹の特長を活かすと共に左右に曲げ分け、飾り付けの利便性を考慮します。
3、仮植え(先端1cm残し土をかけます)
写真は、仮植え中であり、これから土をかけます。
針金賭け後日当たりの良い、庭隅、畑隅に仮植えして置いたものを、3月上旬に正規に鉢上げします。
5月 キンズ 挿し木の継続
1. 5月5日追込み
の部分で芽当りを欲しいがそれは、次のステップにし、先ずは、現存の芽でつくる様植え付けます。
出来れば、横の矢印か縦の矢印の部分に芽当たりを期待して、植え付けをしました。
2. 6月7日一番針金と呼び接ぎ
木肌を洗浄後、植え透け後再芽当り部に針金かけと○の部分に呼び接ぎをしました。
「2月 富士の小リンゴ 切り離し、結束法取り木、根伏せ、挿し木」の継続
1. 2月24日現在
2月の作業は写真Aが取り木狙い。
写真Bが追込み後の深しつくり狙い。
2. 5月24現在
写真Aの矢印部は、トップジン&カットパスター再処置
写真B部も、カットパスターペースト再処理後呼び接ぎ。
3. 今年度の呼び接ぎ
呼び接ぎは、切り込みの入り口側、出口側のそれぞれに芽が当る位置を接木した。
短期間つくりには、一箇所の呼び接ぎで2箇所以上の枝作り要。
呼び接ぎ箇所3箇所で枝数6箇所、発芽部枝3箇所があり、予定の枝数確保作業は終了。
以後は、矢印部の芯つくりと枝作りのみです。
写真2のBの呼び接ぎは、一箇所の呼び接ぎで3箇所の枝を作るための作業であると共に、幹の大傷を早く癒す手段です。
通常大傷を癒すには大傷の中心より少し下に接ぎ均一に癒し、呼び接ぎ部への保護剤浸透不可です。
1.素材
先ず、この素材を将来どの様に育てるのかを検討した結果。
1)根の部分は、呼び接ぎにより右流れの模様樹にする。
2)矢印の部分で取り木をして札リ流れの株立ちにする。
この2点を考慮した針金かけを行う。
2.針金かけ及び呼び接ぎ状態
針金かけは、取り木の部分が左流れになる様意識して行う。
但し、樹は生長の過程で変化する場合が多くあるので弾力性を持ったつくりが求められる。
取り木は、結束法で行い根元に呼び接ぎをし、呼び接ぎは癒着状況と取り木部の発根状態を勘案しながら水苔で発根補助をする予定。
3.拡大
1.素材
盆裁仲間から頂戴したカイドウ素材。
08年の挿し木とのことでした。
矢印は、挿し木した挿し穂の長さを示しているが1.5cmと長く、プチサイズの盆裁には不向きであるため秋までには、取り木をすべく針金かけを行い、更に呼び接ぎによる次年度の素材つくりをすることとした。
2.針金かけ、呼び接ぎ、取り木準備
矢印Aには呼び接ぎをして将来に備え、矢印Bには細針金を巻き付け取り木準備、発根の確認後水苔を付け、秋には鉢上げ予定。
矢印Cは、呼び接ぎ部の活着状態を見ながら取り木準備し、生育状態がよければは今年度中に、通常であれば来春取り木外しを実施。
その後は、生育状況に合わせ取り木、挿し木、根伏せ等を繰り返します。
3.拡大写真
この欄は、取り木外し状態等報告
1. 現状
現状の位置は、大柄樹形となっています。
枝は、間延びしており針金かけもたたみ込んだ大味な木です。
然し、多少の古さがあるのと価格が安いので入手しました。
つくり方も現状と同様、たたみ込み作りしか方法がありません。
樹高も12センチ程であり締りがありません。
2. 位置の選定
右側から見た根配りの様子です。
所詮たたみ込みつくりを実施するのであれば、根上りにつくり、間延び枝をたたみ込んだ姿と根の動きを同調させることにより、間延び枝の目線を根に移動させることとしました。
矢印部の様に針金傷も大きく、切除せざるを得ないものですが、樹高7センチを目指し鉢と幹を締め込みました。
3. 針金かけ後
目に余る大きな傷の枝は切除し、全体の枝に少し細めの銅線をかけた後、針金で締め込み枝位置を決めました。
ポイントは、枝を根の下を通過させ間延び枝と根を一体化させたところです。
枝数が少なくなったため、後ろ枝を前に移動させましたので後ろには、接木をします。
現状の樹高は8センチを想定。
1. 現状
立ち上がりは、良い構えであり古さも10年以上は経過しているであろう。
Aの方向に強く引き下げてあったため、Bの部分に大きな割れがあるため、更に引き下げることは不可能と判断し、一の枝活用と接木によるプチサイズに挑戦した。
2. 針金後とB部接木
Aの部分の接ぎテープを巻き割れが発生した時の保護(ラフィヤでも良いのですが接ぎテープでも同様以上の保護になります)
曲げ下げた頂点を7センチとしたので、緑がこの位置を上回らなければ、常にプチサイズが確保されることになります。
Bの部分は、根に接木をしました。
上部の切除は、秋以後を予定しています。
1. 現状(正面案)
枝数が多い木ですので、写真左を正面に株立ち作りも面白いと考えました。
矢印しの部分に針金を入れ鉢と幹を締め付け、木を倒します。
那須五葉松とのことですが葉性は、いまひとつと云うところですね!
私は、四国五葉の葉性が平均的に良いのではないかと思います。
2. 現状(裏面)
写真右の矢印部が4本の車枝であり太さも太いため真半分に割り、車枝と太さ対策とします。
立割した部分は開口せずトップジン塗付後元の位置にして秋まで行くと枯れる率が下がります。
注:針金を掛けたものを植え替えると枯れるリスクが増大します。
3. 針金かけ後
木を倒し、枝がより地表近くから出ている雰囲気を表現し、樹高6,5センチを確保。
針金かけと葉透かし及び引き針金を実施。(本来葉透かしは、9月ごろが良いです)
針金かけをした五葉松は春植え替えをせず、8月中旬?9月上旬に本鉢に植え替えることとします。
4. 本鉢上げ(実施09年3月24日)
2月2日針金かけを行い、1.5ヶ月程経ましたので、植替えをしました。
4月中旬又は、8月を考えていましたが盆裁の数が多くありませんので、つい手が動いてしまいました。
鉢が少し大きめですが、株立ちであり飾りは受けに使用したく、樹高9センチを狙い、鉢サイズは、狙いの樹高に合わせ8.5センチです。左右の葉張りは14センチ予定です。
1. 現状
側面が一番好みにあった位置であり、この位置を正面とした。
2. 針金かけ後
針金かけの実施中と実施後葉抜きし、矢印部の様に引き針金により、木に負担をかけず又、枝の太さに不適合な太い線を使用せず狙いの位置に枝を移動出来ます。
尚、葉透かし(葉抜き)は9月に実施する方が必要な芽の要不要がわかり、且つ胴吹きの可能性も高いと思います。
3. 針金かけ修正と位置改善
更に矢印は、鉢底から銅線を通し、当てゴムをして引き下げ、樹高7センチを確保した。
今後は、線で示す様に左枝を伸ばしバランスをとりながら作りこんで行くこととします。
2月初旬の針金かけですので室の中で4月まで管理し、植替えも春植えではなく8月中旬?9月上旬に本鉢上げ予定。
4. 植替え(3月24日植替え)
鉢サイズが大き過ぎの理由は、矢印部分の根と後ろ根が張っており、奥行きのある鉢を使用したためです。
矢印の根が将来この樹全体を支配する根になると考えたため、強い切り込みは避けました。
次回の植替えは、8月に行い根を切り込み鉢との整合性を図る必要があります。
5. 人の見る角度
根幅は5センチですので、枝が出来てくれば小根も比例して出ますのでバランス的には整うと考えます。
この写真は、少し角度を変えて取りました。樹高7センチのプチサイズですので飾り棚の最上段に置いても目線はこの角度になると思います。
1. 現状
今はこの様な素材が出回っていますので、プチ盆裁にもってこいですね!
このままの位置ですと樹高が高くなりますので、懐芽のある部分と、角度を考慮して構想案を立てます
2. 構想案(角度変更)
将来、神にすべく真柏に相応しい曲付けをして伸ばした枝は、貴重であり、素材価格もそれなるでしょうがこの素材の枝は、ただ伸ばしたままですので殆んど神に使用できる枝が無いのが残念です。
その分安価ですので我慢しましょう。
矢印の部分まで埋めて置けば根が出てきますので太さ的には有利です。
3. 作業第1ステップ
不要枝は、切除し(写真取りのため)真柏らしい幹流れのみ残しました。矢印Aは、力枝として残しました。
矢印Bは、将来切除する可能性もありますが木は、生長の過程で予想外の変化をすることがありますので残します。
切る事は、いつでも出来ますので焦らずじっくり見定めてから切除しましょう。
盆裁は、絵画や彫刻とは異なり生き物であり、
植物の生きている姿の基本的条件は根との一体感に有ると云えます。
樹の前後左右を見て、写真1の様に根元部が少し奥に引きながら立ち上がる様が良いと思います。
写真2は、お腹を突き出した様な感じがしますのでいけません。
写真3の状態では何をどうするにも判断不可。
写真4のレベルに透かしますと不要枝や不良枝が解かり、解かれば作業につながります。
写真3,4のズミほどでは在りませんがこの通天楓も葉を透かし、
葉切りを行いますと どの様に針金かけをするのかが把握できます。
この通天楓は枝数より細く少し長めの枝で構成する株立ち(9?11幹)を目指しており、
私の最も好きな樹形です。モミジ、楓の真骨頂が問われます。