用土についてアーカイブ

用土の洗浄

用土をふるいに掛けても細かい砂ボコリやゴミが完全除去できない。

バケツに溜めた水に一度入れるだけでゴミやミジンが洗い流されるため植替え時のミジン抜き作業が軽減される。
あわせて、洗浄中に崩れる不良用土の分別が判断できる。

利点

  1. プチ盆栽は、比較的細かい用土を使いますのでミジン、粉塵の影響を受けやすい。
  2. 鉢上面にネットを張る場合、この作業中用土が破損するため洗浄して補う。
  3. 植え替え後のミジン抜き作業が軽減される
  4. 植え替え直後、新芽に針金掛けをする場合用土崩れが無い。

欠点

  1. 多少用土が乾きにくい。
  2. 雑草を除去しにくい。(雑草が小さいうちに除去すると問題ない)

手順

step1 水を溜め流し続ける
用土洗浄1

step2 用土をバケツにパラパラ落とす
矢印のように表面に浮いたごみを取り除く。
バケツから1ミリ以下の篩かネットの中にばら撒くように入れ、水をかけ天日干しする
用土洗浄2

step3 1ミリ以下の網の上に入れる
用土洗浄3

step4 乾燥させる
用土洗浄4

step5 分類する(篩いかけ)
分類意しておき、樹種によって混合を変えて使用します。
用土洗浄5

リトマス試験紙による用土PH調査作業

リトマス試験紙による用土PH調査作業 ポイント
目的 使用用土の酸性、中性、アルカリ性を知り、樹木に適した用土を使用するため リトマス試験紙ではPH計のように正確ではないが傾向把握が出来る
1 新用土に少量の水を加える -
2 よく攪拌し溶出させる -
3 リトマス試験紙の一面を接触させる 裏面を汚さないように
4 裏面を試験ケースのマスター色と合わせる -
5 PHを判断する -

図解及び理由

1、平成18年5月17日 植え替え指導要請があつた折用土の性質を確認させたn=3の平均データー。
2、用土も産地により多少差あり
3、それぞれ自身で検証すると忘れないので実施願います。

検体種類 PH
7
赤玉 7
桐生 6.5
矢作 7
鹿沼 6
竹炭 9

 リトマス試験紙は、PH計測定値よりは精度が劣りますが傾向は判断出来ます。
 畑は、酸性になり易いと云われますが鉢植えの場合は、毎日灌水するためかなかなか酸性化しません。
4、酸性を好む代表的樹種にサツキ、ツツジが在りますが、必ず鹿沼土を使います。
5、アルカリ性を好む代表的樹種に真柏がありますが、赤玉、炭を入れるのは効果的です。
 尚、炭は、活性剤の役をしますので目的に合わせて使用します。
6、植物は、弱酸性で肥料効果も高く、よく生育するとのこと(東京農業試験場技官談)

一言:プチ盆栽は樹木の虐待であり、最適条件の提供は愛好者の責務。

用土の種類と粒度分類作業

小品盆栽の用土種類と粒度分別作業 ポイント
目的 鉢に植えた時、水はけが良く、水持ちが良い状態をつくるため 絶対条件です
1 代表的用土種類選定作業 -
・赤玉土 1~5ミリ位(小品盆栽用が便利) ・赤玉土 1~2ミリ位(芝芽土が便利) 硬質(袋に2本の線入り)を 硬質(同上)を
・桐生砂 1~5ミリ位(洗浄済み、分類済みが便利) -
・矢作砂 2~5ミリ位 砕石可
・鹿沼土 1~5ミリ位 硬質(袋表示を見て)を
・富士砂  -
・日向土  -
・炭(木炭、竹炭、消炭) 活性効果高い
2 粒度分別作業 -
・ゴロ土用  4~6ミリ位 -
・仕切り土用 2,5~4ミリ位 必要に応じて
・植え土用  1~2,5ミリ位 -
化粧土   1~1,5ミリ位 -
日苔、ビロード苔 乾燥して細かく粉砕
3 フルイ(1ミリ、2,5ミリ、4ミリの)を重ねて 最後に1ミリは再フルイ
4 洗浄後、乾燥させた用土を入れフルイ分ける 時々円運動させながら

図解及び理由

1、洗浄作業
 イ、ポリタンクに水をためる(出し続ける)
 ロ、用土袋の角を10cmほどカットして、ポリタンクに少しずつ入れる
 ハ、水面に浮いたゴミを流し出す
 ニ、洗浄した用土は、1mmのフルイ又はザルに入れる
 ホ、更に、上から散水する
 へ、乾燥させる
2、洗浄理由
 ゴミ、ミジン、用土に付着した粉塵の除去をして、植え替え後のミジン抜き作業を軽減。但し、植え替え後のミジン抜きは、水の濁りが無くなる迄行うがこの作業時間は半減する。

一言:良い小品盆栽は、良い土がつくる

用土乾燥速度確認作業

用土乾燥速度確認作業 ポイント
目的 植え付けた樹木が完全に水分が無くなるのは何時なのかを知り、理想的灌水に勤める。 良く乾燥した晴天の日曜日に一日かけて
1 秤の植えに乾燥した受け皿を載せリセットする ゼロ合わせする
2 乾燥した鉢に乾燥した用土を入れる -
3 鉢を秤ではかり数値を記録する 基点値
4 鉢を10分間水に漬ける -
5 灌水直後の鉢を秤ではかり数値を記録する スタート
6 1時間後~ -
7 2時間後~ -
8 3~ -
9 それぞれ記録して乾燥度合いを把握する -
10 各自の灌水可能条件を選定する 用土種類、用土量等で

図解及び理由

1、検証結果は、用土にも関係ありますが、鉢の種類(特に焼成温度)に関係が深い。
2、それぞれの培養場所に合わせて確認し、完遂頻度選定をして下さい。
3、浅い鉢と、深い鉢では、深い鉢の方が乾燥し易い。それは、水の重力が表面張力に勝るため排出速度は速いためです。
  ※ 風呂に入ったとき、スポンジをこの様に   湯面に付け、静かに上げます。水滴が落ちなくなりましたら、徐々に傾けて下さい。水滴が出ます。今の状態と同じ状態が鉢でもいえます。
4、それぞれの管理可能時間に適合させて、鉢、用土を選定して下さい。
5、用土の大きさでは、大粒用土の芯に後まで水分が残り、小粒用土は乾燥すると新迄乾燥してしまします。
  尚、同一鉢での用土別、粒度別、混合土別乾燥時間の調査も同じ様に、実施し乾燥時間を把握しておくと便利です。

一言
良い樹をつくるための、枯らさない努力