1. 挿し穂
15年前、小葉のクチナシが雅風展に貴重登録作品としてお目見えし、その細かさに驚嘆したものでした。
その後この樹は、樹勢がのらず持主のM氏も困惑していました。
私が冗談で「クチナシだから全部枝を切り込んで挿し木をしてはいかが」と言ったところ、「それも面白いな」。
そして何十万円と引き換えに挿し木(親きは消滅)にしたものです。
2. 挿し穂準備
当時この挿し穂を見れば、鼓動で体全体が動く様な感動があったはずです。
今回、15年前の感動を更に高揚すべく、挿し木を行いました。
挿し穂は、株立ちを想定し、挿し穂を用土に倒して置くイメージで作りました。
3. 挿し木
丁度15年前、富士樹会の会員(当時私も会員)に支給されたものとほぼ同様の姿です。
頂戴した日は、いろいろな創造がめぐり一睡も出来ませんと云うより、興奮が冷めず当日の勤務でも眠気はありませんでした。
度合いは異なりますがより当時に近い感動が得られる様挿し木をしました。
3年後、枝数32本で展示する目標です。
2月 一才ズミ 植替え、根伏せ、挿し木作業の継続
1. 2月22日現在
春挿した一芽挿しの5月26日現在の状態です。
前年の枝を一芽残し挿したものです。
2. 5月26日現在
5本発根、5本は未発根でした。
3. 発根状態
矢印幅は1cm。芽当り部より5㎜下で挿していることが判ります。
尚、木質部は枯れ太過ぎると発根難を示しています
4. 鉢上げ位置
植付け位置は、木質部が用土より上に植え、7月に根の部分に針金を掛け鋭い曲にします。
この時の作業で大切なことは、根を切らないことが基本です。
私の植替え定義は、小根が殆んど無い挿し木状態を植替えと云っています。
根を切らない植替えは、鉢替え又は鉢上げと区分しています。
5. 鉢上げ方向
鉢上げ方向は左右バランスよく行うと将来飾る場合便利。
6. 再挿し木
未発根品は再挿し木実施。尚、カット部に形成層巻きの無いものは発根難。
※ 春の取り木実施日の記録、忘却
1. 発根状態
カマツカは、取り木が容易な樹種です。
2. 水苔除去後
水苔は、全て除去します。残ると根腐りの原因となります。
発根状態は、ほぼ全周にあるが外し時期は少し早い様です。
水苔を5㎜位に切るのは除去を容易にするのが目的です。何の樹種も同様。
3. 取り木外し
枝の取り木です。4本外すことが出来ました。
4. 水苔除去後
天の取り木は、本鉢に植えつけましたが、1年は土鉢推奨。
今回の取り木外し5本。天の木は、本鉢に上げてみました。
葉、枝がゴツイ樹種であり、ゴツイ鉢へ 実は赤であるため反対色で。
5. 再取木
6. 肥培と将来構想
5月29日再取り木。外しは来春でも枝つくり優先予定。
肥培は、即効性仕様で行い、赤マークは将来の樹幹予定。
「2月 富士の小リンゴ 切り離し、結束法取り木、根伏せ、挿し木」の継続
1. 2月24日現在
2月の作業は写真Aが取り木狙い。
写真Bが追込み後の深しつくり狙い。
2. 5月24現在
写真Aの矢印部は、トップジン&カットパスター再処置
写真B部も、カットパスターペースト再処理後呼び接ぎ。
3. 今年度の呼び接ぎ
呼び接ぎは、切り込みの入り口側、出口側のそれぞれに芽が当る位置を接木した。
短期間つくりには、一箇所の呼び接ぎで2箇所以上の枝作り要。
呼び接ぎ箇所3箇所で枝数6箇所、発芽部枝3箇所があり、予定の枝数確保作業は終了。
以後は、矢印部の芯つくりと枝作りのみです。
写真2のBの呼び接ぎは、一箇所の呼び接ぎで3箇所の枝を作るための作業であると共に、幹の大傷を早く癒す手段です。
通常大傷を癒すには大傷の中心より少し下に接ぎ均一に癒し、呼び接ぎ部への保護剤浸透不可です。
1. 現状
浜松の盆裁仲間に頂戴した杜松に、八房杜松を接ぎプチ盆裁つくりを計画しました。
2. 現状調査
腐りのあるジンの部分は完全に除去し、 それぞれ立て矢印が根、横矢印が枝接ぎの構想案です。
1. 現状
浜松の盆裁仲間に依頼してあったキンズをわざわざ届けていただいた。
葉には黄ばんだ部分があるので根の痛みが想像出来る。
左下の写真の様に用土の水はけとの関係と思われ、
根洗いすると右下の写真のように根先が痛んでいました。
2. 良いとこ取り
各部分を観察し、本体の植替え、根伏せ部分の探索、挿し穂の選択で重要な部分は、最適な姿、挿し木は芽当りの数等がプチ盆裁の場合最重要項目です。
3. 作業後
それぞれの作業は、キンズの特性を考察して実施ました。
A. の植え付けは水はけ向上を考察したザル植えが最良と判断。
B.の根伏せは、ビニールポットを使用し狙いの位置への発芽誘導を思考した。
C. 挿し木は芽数の多い部分を行いました。
尚、キンズの挿し木の発根実績は3cm位の太さが最適です。
4月 杜松穂 植替え&挿しの継続
1.現状と挿し穂
写真左の矢印は、4月6日挿し木した部分であり、既に新芽が接ぎテープを突き破っています。
矢印右の楊枝を挿した部分に追加挿し木をして林の奥行きをつけることにしました。
挿し穂作りは、通常通りきれる刃物で切り直し、アルミ針金を巻いて挿し穂を接ぎテープで全閉に巻き付け、切り口のみ出して必要な部分に挿します。
追加挿し木のポイント
- ①接ぎテープを突き破ってもそのままで
- ②実施は4月末(1ヶ月遅いが初実施)
2.挿し木追加後
2の写真は、追加挿し木が完了したところです。
八房杜松、杜松穂等追加挿し木が可能です。
そのまま外に出しますので接ぎテープによる保護が必要です。
連休前実施が良いのですが挿し穂入手の関係で遅れました。
3.6月6日針金は外しと呼び接ぎ
余剰刺し穂は3の写真の様に挿し次年度以後に備えました。
挿し穂が長く用土に隠れる部分が少ない挿し木は、アルミの針金で補助します。
補助針金は、鉢底に当る長さが良く挿し穂が安定します。
以後保護キヤップで保護方。
3月 ウメモドキ (仮称斑入り富士) 挿し木の継続
1.09年5月19日現在(直径4.5mmの挿し木品)
写真は、3月19日に挿し木したものに一番針金(押さえ針金)を掛けたところです。
今までは、太物の挿し木は針金を一切かけず次年度新たに出る芽で針金かけを行い、発根最優先を実践してきましたが今年初めて、挿し木2ヶ月品に針金をかけました。
新枝の柔らかさが最適な状態であり鉢底から新根は確認できないものの針金かけ初実施。
2.同上(直径3mmの挿し木品)
同じ日挿し木したものですが、上の写真同様発芽状態は順調です。
今の時期、食い付き枝の針金かけが出来れば7月末2回目、9月末3回目針金が可能と思います。
次年度更に発芽する枝を対比しながら計3回の針金かけを実施しますと樹の輪郭はほぼ完成すると思います。
楽しいですね!
3.6月6日針金は外しと呼び接ぎ
1.の写真から、表土清掃とネットかけにより挿し木から鉢植えバージョンに変更。
更に枝の不足部分に呼び接ぎを行い、秋の追込みまで肥培に専念することにしましたが、樹に変化が起きましたらそれに追随した作業は随時報告します。
1.素材
2年前、池之端のグリーンクラで求めた実の小さい老爺柿。
ヤゴ芽は出たら切除を繰り返し今の状態としたが、鉢から抜いて確認した範囲では、根は大きな期待は出来ないレベルである。
矢印の部分は、今年3月接木したが発芽しませんでしたので切除しました。
2.バラシ状態
芽の出てい部分及び根の部分で期待が出来る部分を切り分ける。
写真3の様にそれぞれ植えつける。
根伏せは、今年中に発芽せず次年度発芽するものがありますので考慮方。
尚根伏せに付いては、ビニール袋に密閉保管し、発芽後植え付けることも可能です。
3.鉢上げ
4.根伏せ状態
1.素材
先ず、この素材を将来どの様に育てるのかを検討した結果。
1)根の部分は、呼び接ぎにより右流れの模様樹にする。
2)矢印の部分で取り木をして札リ流れの株立ちにする。
この2点を考慮した針金かけを行う。
2.針金かけ及び呼び接ぎ状態
針金かけは、取り木の部分が左流れになる様意識して行う。
但し、樹は生長の過程で変化する場合が多くあるので弾力性を持ったつくりが求められる。
取り木は、結束法で行い根元に呼び接ぎをし、呼び接ぎは癒着状況と取り木部の発根状態を勘案しながら水苔で発根補助をする予定。
3.拡大
1.素材
盆裁仲間から頂戴したカイドウ素材。
08年の挿し木とのことでした。
矢印は、挿し木した挿し穂の長さを示しているが1.5cmと長く、プチサイズの盆裁には不向きであるため秋までには、取り木をすべく針金かけを行い、更に呼び接ぎによる次年度の素材つくりをすることとした。
2.針金かけ、呼び接ぎ、取り木準備
矢印Aには呼び接ぎをして将来に備え、矢印Bには細針金を巻き付け取り木準備、発根の確認後水苔を付け、秋には鉢上げ予定。
矢印Cは、呼び接ぎ部の活着状態を見ながら取り木準備し、生育状態がよければは今年度中に、通常であれば来春取り木外しを実施。
その後は、生育状況に合わせ取り木、挿し木、根伏せ等を繰り返します。
3.拡大写真
この欄は、取り木外し状態等報告
きらく会原会長に頂戴した良実成のクチナシ
1.現状
2.本体
クチナシと云わず「プチ盆裁」の場合節間5mm(理想は3mm以下)以下のこと。
3.挿し穂
作業は簡単です。
接間が間延びしていると思う部分は全て切除します。
よって通常の培養作業も将来の挿し木、取り木等を考察したものが要求されます。
又、挿し穂の写真は、発根の容易さを考えるともう少し長く切除することをお勧めしまが、プチ盆裁は妥協の無い完璧さが見せ場ですので、選択は各自の審美眼の大小です。
4.本体の植え付け
小さな樹=プチ盆裁では在りません。
70cmの盆裁をそのまま7cmにした時、節間は10分の1に成るのが当然であり最低条件です。
ポイント
- 根の部分に酸素供給量を多くさせる用土又は灌水方法を工夫のこと。
- 夜の気温15℃以上で各作業のこと。
- 寒期は消毒以外、一切の作業厳禁。
1.素材
素材7本を2万円で購入。
状態から見て根の痛みが在る様なので先ず、ベンレード消毒(浸け)します。
2.追込み
不要枝、間延び枝切除。
プチ盆裁は普通の小品盆栽とは枝分かれのピッチが異なり、そのまま使用出来る枝は在りません。
3.挿し木と保護
先端部の芽当りは切除して挿し木にします。
根元及び根の部分は、特長を活かしながら根伏せをします。
1. 現状(07年6月挿し木)
07年6月6日 プチナシの古枝(ガレ枝)を挿し木。
施肥もせずそのまま放置したものであり、鉢も大きく鉢温が上らず成績は悪い。
そのため、間延びの少ない枝が得られている。
それぞれを鉢上げして、培養するためには素材に適合した鉢の大きさと肥培を繰り返す必要がある。
それでは、古枝、やせ枝の特長が損なわれるので、特性を活かす寄せ植えとした。
2. 植え付け
左流れの吹流し風の寄せ植えとし、古枝、細枝を維持する様培養したい。
鉢は、影山さんに頂戴した持ち込みのある変わり鉢ですが、外縁の突起と水切りの位置がヒットしていません。
が、当面この位置で培養します。
間延び部を切除してから植え付けますと完成イメージが掴めませんので切除は植替え後が良いと思います。
3. 追込み
植え付けた後、間延び枝全てを切除します。
何れの樹種も同様ですがプチ盆裁の場合5mm以上節間が伸びていますと、古さが伝わらず醜いものです。
節間さえつまっていれば枝の向きや位置は、針金でどうにでも成りますが、100本の枝の1箇所の間延びが、その樹の価値を台無しにしますので気をつけたいですね!