根伏アーカイブ

12月 富士小リンゴ 呼び接ぎ、取り木、分割、根伏せ準備

1、富士小リンゴの根元部分

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07年11月木を倒し、構えの良い部分を出して植え付けしたもの。
AとBに枝接ぎし、Aを芯にした右流れの樹形とし、E寸法は6cmであるため、D側に大きく曲がった樹高7cm、左右10cmの構想案とする。
CとDは、根伏せ箇所。

2、間延び枝の取り木準備と

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A、Bの間延び部分は取り木をしてから切除し、両矢印部分で取り木をする構想案。
3の写真で説明するが、結束法で少しの水苔でも発根し易い樹種であるため、種々の樹形が可能である。
よって、樹形を決め付けずに創るのも良いと考えます。

3、用土に接触している部分から発根している様子。

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幹Aの部分は、3cm位あり古さがあるのでそのまま切除しBを芯にした宿里で様のですが、1の呼び接ぎ・2の取り木を優先させ、切除分割は次年度作業にし、C枝の切除と処置をも終わらせておき、AとD部も幹の半分は切り込みと処置をしておきます。

5月 キンズ 植え替え、挿し木、根伏せ

1. 現状

浜松の盆裁仲間に依頼してあったキンズをわざわざ届けていただいた。
葉には黄ばんだ部分があるので根の痛みが想像出来る。
左下の写真の様に用土の水はけとの関係と思われ、
根洗いすると右下の写真のように根先が痛んでいました。

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2. 良いとこ取り

各部分を観察し、本体の植替え、根伏せ部分の探索、挿し穂の選択で重要な部分は、最適な姿、挿し木は芽当りの数等がプチ盆裁の場合最重要項目です。

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3. 作業後

それぞれの作業は、キンズの特性を考察して実施ました。

A. の植え付けは水はけ向上を考察したザル植えが最良と判断。

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B.の根伏せは、ビニールポットを使用し狙いの位置への発芽誘導を思考した。

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C. 挿し木は芽数の多い部分を行いました。

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尚、キンズの挿し木の発根実績は3cm位の太さが最適です。

5月 老爺柿植替え(鉢上げ)及び根伏せ

1.素材

2年前、池之端のグリーンクラで求めた実の小さい老爺柿。
ヤゴ芽は出たら切除を繰り返し今の状態としたが、鉢から抜いて確認した範囲では、根は大きな期待は出来ないレベルである。
矢印の部分は、今年3月接木したが発芽しませんでしたので切除しました。

5月 老爺柿植替え(鉢上げ)及び根伏せ1

2.バラシ状態

芽の出てい部分及び根の部分で期待が出来る部分を切り分ける。
写真3の様にそれぞれ植えつける。
根伏せは、今年中に発芽せず次年度発芽するものがありますので考慮方。
尚根伏せに付いては、ビニール袋に密閉保管し、発芽後植え付けることも可能です。

5月 老爺柿植替え(鉢上げ)及び根伏せ2

3.鉢上げ

5月 老爺柿植替え(鉢上げ)及び根伏せ3

4.根伏せ状態

5月 老爺柿植替え(鉢上げ)及び根伏せ4

4月 ズミ 根伏せ

1. 頂戴した多数の根

頂戴した大量の根。
ズミの古木の木肌は、剥がれ易いのですが、根の部分は、木肌が荒れたとき、亀甲状に割れ、皮が脱落し難いので楽しみです。
カイドウや、富士の小リンゴ等と同じ様に根で作ることを推奨します。
これだけの根から出来る根伏せの鉢数は、ザット300鉢。今まで捨てていたそうです。

4月 ズミ 1.頂戴した多数の根

2. 方向付け

個々に見るとプチ盆裁に最適な根です。
この様な素材を見ると、正に「樹が自分で出来、人は、その一部を手伝う」
この行為が盆裁つくりであることを実感します。
見方によっては、奇形であり、欠点とも取れますが欠点を長所に変えることが育てることであり、我が子を育てることと同様と考えますがとてもやり切れませんのでPB火の国へ送ります。

4月 ズミ 2.方向付け

3. 植え付け

アット云う間に50鉢。3年後が楽しみです。
尚、この様な根伏せに適した根は、1.5号鉢で植替え2年、2号鉢で植替え3年後位が適しています。
植替え1年ですと根が単純な物が多いです。
黄実ズミ、赤実ズミ、カイドウ、小リンゴ等に関わる代議としては最適であり、富士ズミも力枝を付け育てますと以外と早く実がなりますのでお試し下さい。

4月 ズミ 3.植え付け

2月 金華山(ガマズミ) 挿し木

1. 挿し穂準備

金華山(ガマズミ) 挿し木1
金華山(ガマズミ) 挿し木2
昨年晩秋葉刈りをして挿し穂を整姿しておき発根すれば本鉢に植え展示できるレベルに小枝を作って置く。

2. 挿し穂

金華山(ガマズミ) 挿し木3

3. 挿し木の位置決め

金華山(ガマズミ) 挿し木4
挿し穂は、発根剤に漬け、トップジンMを薄く塗り、挿し木の位置仮決めする(植替えも同じ)。

4. 挿し木後

金華山(ガマズミ) 挿し木5
活着ポイントは、挿し木後刺し穂を持ち上げ挿し穂が動かないこと。
いずれの樹種の挿し木でも同じ。
荒風防止と午前中の日照で、ほぼ100%発根します。

春の挿し木は、芽数が多い程発根が良い様に思います。
それは、前年度から挿し穂つくりをして置くことに尽きます。
このレベルの芽数があれば、秋展示しても他と見劣りしません。

2月 富士の小リンゴ 切り離し、結束法取り木、根伏せ、挿し木

1. バラシ、切り離し

富士の小リンゴ 2月作業1
1の写真矢印部分に2ミリ程の根が一本在ったので切り離し植え付ける。

2. 結束法取り木

富士の小リンゴ 2月作業2
2の矢印は結束し、半分用土に埋め発根させる。

3. 細根の根伏せ

富士の小リンゴ 2月作業3
細根は、歯ブラシで毛根を除去し伏せる。
細根は小根が多過ぎると用土がすきこめないのか発芽率が悪い。
尚、一部の根には針金を掛けて

4. 挿し木

富士の小リンゴ 2月作業4
不要枝は、4の写真様に挿し木とした。

5. 追込み品の植替え

富士の小リンゴ 2月作業5
樹の裏側、矢印の部分に芽当りがあるので切除して本来ジンを付け焼けこみ帽子を図りたいものの、2の写真の切り離し位置関係があり短く切除した。
根元の傷と切除した部分は、15ミリほどであるため焼け込みがつながる恐れあるので、焼け込みすることを前提に樹形構想を立てておく必要がある。

2月 一才ズミ 植替え、根伏せ、挿し木作業

1. 現状

一才ズミ 植替え、根伏せ、挿し木作業1
友人に頂戴した一才ズミ。
根伏せの根つくりを考慮し鉢底に矢作砂等を置き変形した根つくりをしてあります。

一才ズミ 植替え、根伏せ、挿し木作業2
鉢を割り、根を傷つけない様ほぐします。

2. 良いとこ探し

一才ズミ 植替え、根伏せ、挿し木作業3
根を観察し、特長を活かす根伏せ材料確保と、植え付け位置を検討します。

一才ズミ 植替え、根伏せ、挿し木作業4
この段階で切り口には、保護剤を塗付しておきます。

3. 植え付けと根伏せ

一才ズミ 植替え、根伏せ、挿し木作業5
写真右の矢印は、上の写真と同一品ですがアルミ線を巻き仮植え付けしますと細物を植えつける場合も便利です。

一才ズミ 植替え、根伏せ、挿し木作業6

4. 保護

一才ズミ 植替え、根伏せ、挿し木作業7
根伏せ品は、水苔又は多く露出するものは、矢印の様に筒を作り用土で保護します。

5. 挿し木

一才ズミ 植替え、根伏せ、挿し木作業8
枝の部分は、一芽毎挿し木をしました。
切り口には保護剤が必須です。

2月 荒皮マユミ 植替え及び根伏せ

1. 現状(左右二本)

荒皮マユミ 植替え及び根伏せ1
荒皮マユミは、幹の部分も錦木の様になりますが年数を経ますとこれも又錦木同様脱落します。
然し、根の部分は、年数を経る毎肌荒れし、見ごたえのある盆裁が楽しめます。
特に11年以上経ますと大幅に荒れが拡大しますので根伏せで作るのが「荒皮マユミ」つくりのポイントです。

2.根の観察とバラシ

荒皮マユミ 植替え及び根伏せ2

2〜3ミリの根からも発芽が得られます。

荒皮マユミ 植替え及び根伏せ3

矢印の様に片方の根を切除すると立ち上がりに曲が出来ます。

3. 作業終了の様子

荒皮マユミ 植替え及び根伏せ4
荒皮マユミ 植替え及び根伏せ5
それぞれ、根伏せ、植替え保護した状態です。
頂戴した2本が12本に増加しました。

2月 富士ズミに後平ズミ 接伏せ

※接伏せ(根に接木して植える作業の造語)

1. 接木前のズミの根と富士小リンゴの接ぎ穂

富士ズミに後平ズミ 接伏せ1
台木となるズミの根Aは、毛根や不要根を整理し、綺麗にカットした切り口Cには、トップジンを塗付し拭き取っておく、挿し穂Bは、台木の太さより細いものを使用。
ポイントは、双方の形成層を合わせること、挿した穂が動かないこと、台木の切り口は、全閉にすること、手早く作業のこと。

2. 接木手順

※この作業は本来写真等取らず素早く終了させること
富士ズミに後平ズミ 接伏せ2
接穂を鋭利な小刀で、台木にあわせクサビ状にし、即、唇でくわえ乾燥防止

富士ズミに後平ズミ 接伏せ3
穂木に合わせ、台木に切れ込みを入れます。

富士ズミに後平ズミ 接伏せ4
形成層を合わせ、台木の切れ込みに接穂を差込む。

3. 接木

富士ズミに後平ズミ 接伏せ5
接合部は、接ぎテープで台木が挿し穂を咥える様に縛り、挿し穂もテープで密閉。

富士ズミに後平ズミ 接伏せ6
植え付け後露出している根の部分は、写真右の様に、ポットを改良し用土を入れる。

4. 5月上旬の発芽状態

富士ズミに後平ズミ 接伏せ7
5月連休には、接ぎ穂がテープを突き破り出て来た様子です。

2月 ツタウルシ 植替え及び挿し木

1. 現状

ツタウルシ植替え及び挿し木1
ツタウルシは、小枝も小枝ものり易くプチ盆裁に適しています。
又、どの地域でも紅葉が綺麗で楽しいものです。
マトメ植えしたものですが見ると、癒着しています。
私にとって新しい発見でしたが分けてくれた方は随分前から解っていた様子でありマトメ植えをしてありました。

2. 癒着部分及び用土解し後

ツタウルシ植替え及び挿し木2
ツタウルシ植替え及び挿し木3
用土を解し間延び部分は、切除し挿し木にします。
根伏せの経験がありませんので実施します。

3. 挿し木

ツタウルシ植替え及び挿し木4
1. の写真の矢印部分ですがツルものですので長めの挿し木トライ

4. 植え付け

ツタウルシ植替え及び挿し木5
癒着した部分は間延び枝を切除て、植え付けました。
現実的には、新たに発芽する芽を活用することになると思います。
ツタウルシは、紅葉がきれいですので楽しい樹種です。
持ち込みますと葉も少し小さくなります。

2月 長寿梅 植替えと株分け(同時に根伏せ、挿し木)

1. 現状

長寿梅植替えと株分け1

2. 根洗い後

長寿梅植替えと株分け2
長寿梅は、ズミと同様2の写真の様に成り易い樹種。
根が自然の流れであればよいが、このままにしておくと一見太さはあるものの、不自然な樹形の原因となる。

3. バラシ後

長寿梅植替えと株分け3
3の写真の様にバラシ、それぞれの良い部分を活かした木創りが好ましい。
尚、枝は1センチ以内の芽当たり部を残し切除し、プチサイズ盆裁に適合させる。

4. 植え付け後

長寿梅植替えと株分け4
交差した根、不要枝の切除と枝は、切除し植付け。

5. 根伏せ

長寿梅植替えと株分け5
切除した不要根は、根上り、文人木を想定した根伏。

6. 挿し木

長寿梅植替えと株分け6
切除した枝は、挿し木をそれぞれ実施した。