1、今年挿し穂取りした後の様子
08年挿し木した後は、何もしないでただ伸ばしておき、深切りした部分の回復を主眼にしました。
状態は、ただボウボウと伸ばしたのみです。
2、次年度の構想案
紅葉(黄葉)開始を見て次年度の取り木、挿し木の準備作業に入ります。
A部等はすでの切除部の被服が出来ています。
写真の様に今年度の枝全てを切除します。
来春出る新芽に合わせ、狙いの樹形にしていきます。
- 取り木、挿し木ともB線で行い。
- 取り木は、新芽に針金かけ可能
- 挿し木は、そのまま伸ばし次年度の芽で作る
3、挿し木(3月芽吹き時)
挿し木時期:新芽出る時期
取り木時期:新芽出る時期及び6月頃
09年3月19日挿し木
(詳細は№3月―8で)
実施時期:葉の固まる6月上旬
1. 挿し穂を親木(元木)から切り離したところ
春から伸ばしておいた枝の中で、今後使用難の枝は切除し、Aの様に保護剤を塗付します。
ウメモドキの場合Bの様にこまかい根が出ているものは大切に扱います。尚、前年初冬追い込み(不要枝を短く切断)し、芽数を増やす作業要す。
その他は「6月 唐楓」を参照方。
2. 挿し木部分のカット
切断部は、きれいに仕上げトップジン塗付、その上からカットパスターを押し付けます。
(写真は塗付前です)
この時、葉の数は、1枝2枚以下とし、大きな葉は、半分程度に切除します。
尚、使用鉢サイズは、2号(6cm)です。
3. 挿し木の固定状態
植え土に押し付け、針金で固定します。
この時Aの方向に持ち上げ、挿し穂が動くようでは、ほぼ100%枯れますし、作業時間がかかりAの方向にもと上げたとき葉がとれてしまう様では、発根率が低下します。
素早い作業又は、雨天の作業が良い様です。
管理場所は、棚下等で朝日が2~3時間当たる場所。 発根率90%以上。
3月 ウメモドキ (仮称斑入り富士) 挿し木の継続
1.09年5月19日現在(直径4.5mmの挿し木品)
写真は、3月19日に挿し木したものに一番針金(押さえ針金)を掛けたところです。
今までは、太物の挿し木は針金を一切かけず次年度新たに出る芽で針金かけを行い、発根最優先を実践してきましたが今年初めて、挿し木2ヶ月品に針金をかけました。
新枝の柔らかさが最適な状態であり鉢底から新根は確認できないものの針金かけ初実施。
2.同上(直径3mmの挿し木品)
同じ日挿し木したものですが、上の写真同様発芽状態は順調です。
今の時期、食い付き枝の針金かけが出来れば7月末2回目、9月末3回目針金が可能と思います。
次年度更に発芽する枝を対比しながら計3回の針金かけを実施しますと樹の輪郭はほぼ完成すると思います。
楽しいですね!
3.6月6日針金は外しと呼び接ぎ
1.の写真から、表土清掃とネットかけにより挿し木から鉢植えバージョンに変更。
更に枝の不足部分に呼び接ぎを行い、秋の追込みまで肥培に専念することにしましたが、樹に変化が起きましたらそれに追随した作業は随時報告します。
ポイント:芽出し時
1. 挿し穂A
挿し穂Aは、太さ4,5cm位ですが、もう少し芽当りが多ければ申し分ありません。
2. 挿し穂B
挿し穂Bは、3cm位の太さですが比較的芽当りが良く挿し木に適しています。
3. Aの挿し木
極細枝又は、新芽挿ししてから太くするのも良いのですが、太目の樹を好まれる方は、大きな鉢か庭に植え目標太さの挿し穂つくりが手っ取り早いと思います。
?是非実施して欲しい盆裁つくり?
4. Bの挿し木
当然取り木でも良いのですが、次年度以後の挿し穂作りの関係上挿し木をしています。
取り木箇所は、発根後切り離しませんと発芽が旺盛に出ませんので、挿し穂つくりが一年遅れることになるからです。
ウメモドキの春挿しは、新芽(黒くポツポツと芽が出始める)の出始める時期に行うと発根率が良い。
(何の樹種も同じ)皆さん、必ず実施して下さいよ!
1. 挿し穂つくりは、前年に始まる(全てに樹種で)
矢印 A から伸びる線上の断面で挿すことを想定して前年の紅葉時枝を全て切除する。
春までに、 B 等の周りに無数の芽が出る。
この新芽のエネルギーを活用して発根させるのです。
ちなみに、 C の切除部は、06年の挿し穂部です。
挿し木は、挿し穂つくりが大事であり、成果を決定します。
2.他の挿し木同様の固定、水苔による保水状態
春挿しは楽しいですよ。
このままほったらかして置き、紅葉時枝を 5mm 位残して置きますと、実が成ります。
挿し木20ヶ月で展示会に出したことがあります。
是非、皆さんも実施下さい。
5本挿したものは、5本共発根します。
ポイントは、芽あたり部から根が出るので芽当り増加の対策を。
唐楓、モミジ共発根し易い樹種です。
狙いの樹形をイメージし、何処から根を出すのか決め、この部分に芽あたり条件を作る。
【唐楓の挿し穂】
【モミジの挿し穂】
ウメモドキやキンズ、クチナシ等は、木質部と木皮の間からも根が出る発根容易な樹種です。
発根が容易と云っても狙いの樹形に添った挿し穂作りをお勧めします。
【ウメモドキの挿し穂】
【キンズの挿し穂】
発根率向上のポイント
- 芽当りのある部分を用土に接触させ発根を即す。(基本条件)
- 芽当りを多くして、発根確立を上げる。
- 挿し穂を固定する。(必須条件)
- 木本体等芽当りの無い部分は切除する。(枯れこみの原因)
- 荒風を当てない。(乾燥防止)
- 日に当てる。(朝日?午前中の日照で)
- 灌水する。
- 我慢する。
事前準備
- モミジ、楓、ウメモドキ等は、前年紅葉時。
- キンズ、クチナシ、チリメン等の温暖樹は、夜の気温平均5℃以上になってから。