呼び接ぎは、雑木の盆裁つくりに欠ことの出来ない作業です。
好むと好まざるとに関わらず必ず実行下さい。
たった一本の枝が来年には数本、必要に応じては数十本の枝を作ることが出来ます。
1. 06~07年に呼び接ぎしたもの
A点は、05年取り木した場所です。
取り木と同じく05年には、Bの部分に呼び接ぎをしておきました。
この部分から06~07年に賭けて、呼び接ぎしました。
撮影08年2月
2. 07~08年に呼び接ぎしたもの
C点は07年に呼び接ぎした部分で、これを元に2箇所に呼び接ぎを増加させたものです。
呼び接ぎ箇所の選定及び樹形を考慮しながら実施する事を進めます。
皆さんの感性と洞察力が試されますね。
撮影08年07月
3月 モミジ(嵐山) 挿し木
1. 6月4日現在
3月24日に挿し木した嵐山モミジですが、鉢底に根が確認出来ましたので、挿し木表土(ネットナシ)を植替え表土(ネットアリ)に変更しました。
2. 表土の修正
不足用土を足し、矢印の挿し穂固定針金の上からネットを被せ、内円周を建材用ホッチキスで押さえ、更に樹の再固定をしてから、矢印の針金を切ります。
通常の植替えと同様にネットを被せた後、根の生育が不十分なものは、挿し木と同じ様に針金で挿し穂を固定しますが、それはネットの上から固定し、根の充実後に外します。
3. 呼び接ぎによるレベルアップ
矢印上の嵐山モミジも悪い葉性では在りませんが、最近矢印下の様に更に良い葉性の小葉性モミジが多く出回っていますのでこれを呼び接ぎしました。
元木の枝が4本ありましたので4箇所に接ぎ、来年春は8箇所の枝が期待できます。
鉢同士をマスキングテープで固定後、作業をしますと活着までの管理が容易です。
取り木、挿し木作業適時 芽吹き時直前の2月下旬
取り木外し適時 葉の固まった6月上旬〜中旬
1. 挿し木や取り木の準備
このまま春まで放置しても良いもですが、狙い通りの枝数及び枝の強弱を確保するため、現状把握をします。
盆裁業者さん等に、良い性質のモミジを選択してもらい、庭の隅か大きめの鉢植えにして置き、毎年この作業を実施すれば毎年増えていきます。
増えるのも楽しみの一つです。
2. 葉透かし
同日 葉透かし(不要な派を除去すること)をして芽確認します
現状把握は、
1.見たい場所を見易い様に懐の葉を除去します。
2.芽当たりB部の状態を見て枝を切り込む位置を決めます。
尚、A部の傷は今年の6月取り木外した傷です。
これ位巻き込んでいれば、焼け込む(腐りこむこと)ことは少ないと思います。
3. 切り込み(枝を写真の様に短めに切ること)後の様子
切り込みの必要性は、
1.来春伸びる新芽をそのまま伸ばすのではなく、枝の強弱及び曲つけ(曲げて自然の姿に近づける)し易くするためです。
2.切り込んだ枝の周囲から多数の新芽が得られます。
3.将来の枝の位置、枝数、枝太さ等を観察し可能な限り、曲付けをしながら取り木をするためです。
4.A〜A、B〜Bの部分で取り木又は、挿し木をします
5.挿し木の場合は、秋までそのまま伸ばし、取り木の場合は、新芽への曲付けが可能です。
※盆裁つくりには、事前準備が必要です。狙いを定め樹勢(樹が丈夫のこと)を確保
1. 挿し穂
上の矢印の芽は、伸びすぎです(元から切る)。
下の矢印の芽が挿し木の適時です。
これは、11月の植木モミジの取り木、挿し木準備作業の準備を経て今に至っています。
※なぜ、芽当りを増加させる必要があるのか?
緑色の枝本体からの発根は、期待できません発根は、芽当り部分に出易いので芽当りの多い挿し穂つくりが挿し木の基本と考えています。
2. 挿し穂つくり
芽当りの多い部分を鋸で切り取り、ナイフで切り直しトップジンMを塗付。
この時、1.の写真の発根難部分が在ると発根しません。
3. 挿し木後
通常の植え土に挿し穂の切り口が接触する部分に1〜1.5ミリの用土を入れ挿し穂の密着性を高め、荒風を防止して日に当てれば対外の雑木は根が出ます。
モミジ等の挿し木は、芽の無い部分からは根が出にくい傾向にあります。
植物の生理上芽当りの多い部分に根が出易い様です。
但し、どこを挿しても発根する木もありますが基本は芽当り箇所から発根させると狙い通りの根が得られます。
1. 分割前の状態
2007年の挿し木したものですが発根(挿し木や取り木で根が出ること)状態等もイマイチ!いろいろ考えた末の答えは、A?Aで分割して優しさのある株立ち(根元から何本かが幹の様をしている樹姿)のすることにしました。
2. モミジ分割つくり 分割後の状態
根の状態も充分ではない上に分割された部分に根は、ありませんがきれいにカットし直し、トップジン塗付後カットパスター貼り付けをし、腐り込み防止をしておくと後年発根します。
3. モミジ分割つくり 植え付け状態
通常に植え付けて問題ありません。但し、分割した片方には、全く根が無いわけですから、その部分には、水苔(入梅過ぎ迄)を置き保護します。
鉢サイズは、左が6.5センチ、右は6センチです。
4. 2008年9月10日現在
ポイントは、芽あたり部から根が出るので芽当り増加の対策を。
唐楓、モミジ共発根し易い樹種です。
狙いの樹形をイメージし、何処から根を出すのか決め、この部分に芽あたり条件を作る。
【唐楓の挿し穂】
【モミジの挿し穂】
ウメモドキやキンズ、クチナシ等は、木質部と木皮の間からも根が出る発根容易な樹種です。
発根が容易と云っても狙いの樹形に添った挿し穂作りをお勧めします。
【ウメモドキの挿し穂】
【キンズの挿し穂】
発根率向上のポイント
- 芽当りのある部分を用土に接触させ発根を即す。(基本条件)
- 芽当りを多くして、発根確立を上げる。
- 挿し穂を固定する。(必須条件)
- 木本体等芽当りの無い部分は切除する。(枯れこみの原因)
- 荒風を当てない。(乾燥防止)
- 日に当てる。(朝日?午前中の日照で)
- 灌水する。
- 我慢する。
事前準備
- モミジ、楓、ウメモドキ等は、前年紅葉時。
- キンズ、クチナシ、チリメン等の温暖樹は、夜の気温平均5℃以上になってから。