1. 挿し穂
がんセンター入り口のウェルディーの緑地に植えてある富士桜は、秋からチラホラ咲き続ける珍種ではないかと以前から期待していたもの。
一枝採取し挿し木をしようと、樹に近づくと根元や、根の部分にヤゴ芽が無数。
植木屋さんが切り込んでありましたのでこの様な挿し穂です。
ですので、花芽は除去し枝はそのままで挿し木しました。
挿し木状態
枯れ枝や伸び過ぎた枝は切除し、それぞれ小刀で綺麗に切り直しトップジンを薄く塗付して挿しました。
太目の枝は、見苦しい状態ですが今切り込みますと腐り込みにつながりますので、発根して新芽も切り込める、7月中に太い枝の処理をしたいと考えています。
富士桜 ※推奨樹種
分類 |
葉物類 |
実施時期(於:富士市) |
植替 |
頻度 |
若木⇒2年 |
古木⇒3~4年 |
3月芽吹き時
樹の固定
底根カット |
根切除 |
2/3、走根は元で |
1/3、走り根 |
使用土 |
赤玉8、桐生2 |
赤玉8、桐生2 |
使用鉢 |
仕立鉢、 |
鑑賞は色物鉢 |
鉢サイズ |
模様木⇒樹高と同程度、株立ちその他⇒樹形に適合させて |
植位置 |
鉢の空き寸法は流れ方向1,6、反対方向1、前後1:1、 |
植替後 |
防風対策 |
整姿 |
樹寸法 |
模様木⇒上下1:左右1,6直幹木⇒上下1:左右1,4比
株立ち⇒上下1:左右2 |
針金 |
培養中⇒アルミ線 |
4月~7月 |
枝引き |
培養中⇒アルミ線、 |
随時 |
芽掻き |
挟み又はピンセットで |
随時 |
芽摘み |
挟み又はピンセットで |
随時 |
芽切り |
- |
花芽確認後 |
葉刈り |
経験なし |
- |
葉透し |
混んでいる部分を |
随時 |
葉切り |
不要 |
|
力枝 |
※切断時はトップジンとカットパスター処理 |
3~6月 |
呼接ぎ |
経験なし |
- |
灌水 |
水かけ |
表土が乾きかけたら |
各自頻度設定 |
腰水 |
- |
- |
葉水 |
好む |
夕方 |
置場 |
強い陽射し嫌う、通風好む ※寒冷遮遮光50%を |
7~9月上旬 |
肥料 |
中量 |
5~7月、9月 |
害虫・殺虫 |
油虫他 |
毎月、5月末と7月末の産卵、孵化時2週連続 |
2種類を交互 |
病気・殺菌 |
特になし |
同上 |
2種類交互 |
交配 |
不要 |
- |
増殖 |
実生 |
経験なし |
採取時又は春 |
挿し木 |
古枝し ※推奨事項 |
3月芽吹き時 |
根伏せ |
可能 |
3月芽吹き時 |
取り木 |
環状剥離 |
6月 |
接木 |
経験なし |
- |
2005年9月1日のメモ
富士桜の特長
桜の中で葉が小さく、小枝も出来やすく作りやすい桜です。花の大きさや色は生息場所によって多少異なりますが、つぼみはピンクで開花後は薄ピンクから白の15mm位の花が咲きます。開花時期は染井吉野の開花より3週間ほど早く咲きます。
又神(枯れ枝)や、さば(洞)も他の桜と比べ長持ちです。
培養ポイント
- 所詮桜ですので冬場の切り込みは避け、木の生長時期に切り込む。針金かけと切り込み(葉切り含む)併用を推薦。
- 夏の強い日光(30度以上)は日よけネット50%遮光で保護。
- 芽が多い、不必要芽は随時書き取る。
- 高山系の樹ですが小鉢の場合凍結させると、弱い小枝が枯れるので防寒対策要。
増 殖
- 株分け、太い樹の分割植え可能、但し、切りキズ保護必須。実施時期は芽吹き直前。
- 取り木、容易、実施時期は芽吹き直前、又は新葉の固まった後。
- 挿し木、容易、特に挿し木を奨励する、腕の太さでも芽の多くある部分であれば可能。
実施時期は芽吹き直前に行い保温、保湿対策要、又は新葉の固まった後、太いものは葉を透かして半日陰に置く。いずれも挿し穂固定は必須。
- 根伏せ、容易。
針金かけ
- 新芽の時期に0,7~0,8mmのアルミ線を使用すると狙い通りの樹形可能。
- 1ヶ月以内に外す、最低気温は20度以下になると木質の硬化速度速い3週間以内に外すこと。冬の針金かけは避ける。
- 針金かけ以外に針金で引く、縛る作業も効果ある。
消 毒
- スプラサイト(殺虫)+ラーリー(殺菌)各1500倍混合とトレボン(殺虫)+ジマンタイセン(殺菌)各1000倍を交互に行う。3月~12月の期間は毎月1回5月と7月は2回(幼虫のふ化時期のため)。この頻度であれば冬の石灰硫黄合剤散布不要。
- 当薬剤は専業農家で使用するものであり、薬剤開封時よりマスク要、粉末剤を吸引し、半年位の咳き込みを経験した、又家の窓、小鳥、金魚等は隔離後散布のこと。
植え替え
- 周期は3年又は用土が水を通し難くなった芽吹き前。
- 用土は鉢の大きさでも異なるが2号鉢では赤玉7砂を推薦(自生場所は水はけ良)。小枝を増す場合は小粒で、樹勢をつける場合大粒で。
施 肥
目的、手入れ時間に適合した施肥、肥料選定鉄分、リン、亜鉛等微量要素も考慮。