培養作業目安表 花物類:富士桜

富士桜 ※推奨樹種
分類 葉物類 実施時期(於:富士市)
植替 頻度 若木⇒2年  古木⇒3~4年 3月芽吹き時 樹の固定 底根カット
根切除 2/3、走根は元で 1/3、走り根
使用土 赤玉8、桐生2 赤玉8、桐生2
使用鉢 仕立鉢、 鑑賞は色物鉢
鉢サイズ 模様木⇒樹高と同程度、株立ちその他⇒樹形に適合させて
植位置 鉢の空き寸法は流れ方向1,6、反対方向1、前後1:1、
植替後 防風対策
整姿 樹寸法 模様木⇒上下1:左右1,6直幹木⇒上下1:左右1,4比 株立ち⇒上下1:左右2
針金 培養中⇒アルミ線 4月~7月
枝引き 培養中⇒アルミ線、 随時
芽掻き 挟み又はピンセットで 随時
芽摘み 挟み又はピンセットで 随時
芽切り - 花芽確認後
葉刈り 経験なし -
葉透し 混んでいる部分を 随時
葉切り 不要
力枝 ※切断時はトップジンとカットパスター処理 3~6月
呼接ぎ 経験なし -
灌水 水かけ 表土が乾きかけたら 各自頻度設定
腰水 - -
葉水 好む 夕方
置場 強い陽射し嫌う、通風好む ※寒冷遮遮光50%を 7~9月上旬
肥料 中量 5~7月、9月
害虫・殺虫 油虫他 毎月、5月末と7月末の産卵、孵化時2週連続
2種類を交互
病気・殺菌 特になし 同上
2種類交互
交配 不要 -
増殖 実生 経験なし 採取時又は春
挿し木 古枝し ※推奨事項 3月芽吹き時
根伏せ 可能 3月芽吹き時
取り木 環状剥離 6月
接木 経験なし -


2005年9月1日のメモ

富士桜の特長

桜の中で葉が小さく、小枝も出来やすく作りやすい桜です。花の大きさや色は生息場所によって多少異なりますが、つぼみはピンクで開花後は薄ピンクから白の15mm位の花が咲きます。開花時期は染井吉野の開花より3週間ほど早く咲きます。
又神(枯れ枝)や、さば(洞)も他の桜と比べ長持ちです。

培養ポイント


  1. 所詮桜ですので冬場の切り込みは避け、木の生長時期に切り込む。針金かけと切り込み(葉切り含む)併用を推薦。

  2. 夏の強い日光(30度以上)は日よけネット50%遮光で保護。

  3. 芽が多い、不必要芽は随時書き取る。

  4. 高山系の樹ですが小鉢の場合凍結させると、弱い小枝が枯れるので防寒対策要。

増 殖


  1. 株分け、太い樹の分割植え可能、但し、切りキズ保護必須。実施時期は芽吹き直前。

  2. 取り木、容易、実施時期は芽吹き直前、又は新葉の固まった後。

  3. 挿し木、容易、特に挿し木を奨励する、腕の太さでも芽の多くある部分であれば可能。
    実施時期は芽吹き直前に行い保温、保湿対策要、又は新葉の固まった後、太いものは葉を透かして半日陰に置く。いずれも挿し穂固定は必須。

  4. 根伏せ、容易。

針金かけ


  1. 新芽の時期に0,7~0,8mmのアルミ線を使用すると狙い通りの樹形可能。

  2. 1ヶ月以内に外す、最低気温は20度以下になると木質の硬化速度速い3週間以内に外すこと。冬の針金かけは避ける。

  3. 針金かけ以外に針金で引く、縛る作業も効果ある。

消 毒


  1. スプラサイト(殺虫)+ラーリー(殺菌)各1500倍混合とトレボン(殺虫)+ジマンタイセン(殺菌)各1000倍を交互に行う。3月~12月の期間は毎月1回5月と7月は2回(幼虫のふ化時期のため)。この頻度であれば冬の石灰硫黄合剤散布不要。

  2. 当薬剤は専業農家で使用するものであり、薬剤開封時よりマスク要、粉末剤を吸引し、半年位の咳き込みを経験した、又家の窓、小鳥、金魚等は隔離後散布のこと。

植え替え


  1. 周期は3年又は用土が水を通し難くなった芽吹き前。

  2. 用土は鉢の大きさでも異なるが2号鉢では赤玉7砂を推薦(自生場所は水はけ良)。小枝を増す場合は小粒で、樹勢をつける場合大粒で。

施 肥
目的、手入れ時間に適合した施肥、肥料選定鉄分、リン、亜鉛等微量要素も考慮。