QCといっても小品盆栽つくりの場合、QC7つ道具や新QC7つ道具の全て使う必要は無く、必要に応じ使用すればよい。様は、QC的ものの考え方で小品盆栽に向き合うことが重要である。
例えば、メンバー全員で黒松の逸品を見たとしよう。
素晴しい、凄い、古い、上手に出来ている等の感想を話しあってもあまり参考にならない。
それは、見る人全てが異なるものさしであり、具体性にかけるからである。
QC的に観察して文字にすると可能な限り数値的把握(観測、観察)が大切になる。
(1) 樹種 | 三河黒松、推定樹齢○○年、購入先○○園、(購入金額○○万円) |
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(2) 樹高 | 鉢上面から葉先まで○○センチの |
(3) 左右(はばり) | 幹中心より右へ○○センチ、左へ○○センチ |
(4) 太さ | 根回り○○センチ、根元径○○センチ |
(5) 枝 | 一の枝高さ根元右から○○センチ、同くい付き部径 ○○センチ 二の枝高さ根元左から 同上。 以後可能な限り 枝数○本 |
(6) 曲 | 根元から左へ30度、R2センチで曲り、後へ5度曲りながら 根元から右へ35度、R1センチで曲り、前へ6度曲りながら |
(7) 幹肌(目視) | 立ち上がり部肌割れ○○ミリ、肌割れ深さ○○ミリ |
(8) 葉長 | ○○センチ、葉色は濃緑色 |
(9) 鉢 | 紫泥外縁雲脚長方、左右○○センチ、前後○○センチ(尚古堂) |
(10) 植え付け位置 | 鉢中心から左へ○○ミリ、後ろへ○ミリ |
(11) 使用用土 | 鉢上は赤玉8、桐生2、径○ミリ、水抜き穴部桐生5ミリ、矢作4ミリ、白カビあり |
それは、同レベル又は、それ以上の黒松を作るときの具体的作業や素材購入判断の指針となるからである。一見不合理と思われるが数値的把握をすることで実践の具体性が整い、再現性に優れるのである。
即ち、愛好者に等しく、小品盆栽をやるための最低必要条件を満たす支援をすることであり、第1種運転免許証を取得出来ないF1ドラドライバー等存在せず、まず、第1種運転免許取得の支援をすることと共通している。