1. 小品盆栽に求めるものは「情景」の表現

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(1) 小品盆栽は、演劇である。

求める情景を時代背景や場面、場所を考え主人公を中心に物語を演出する楽しさです。
小品盆栽で表現する情景

(2) 小品盆栽は、絵画や彫刻と同様バランスの美です。

基本はエジプトで生まれた黄金分割(黄金矩形、黄金比)1:1.618が良いといわれています。然し、日本にも古くから、三阿弥(能阿弥、芸阿弥、相阿弥の三代で構築)云う 1:2比があり、掛け軸のバランスや床飾りバランス等は今も使われています。
更に、社寺仏閣等で活用されている白銀比:1:1.414がありますので、これ等を使い分け誰が見ても違和感のないバランスを考えて下さい。

【私の使っている比率】
黄金比(1:1.6)
  1. 模様木の樹高:葉張り
  2. 根周り太さ:鉢寸法(内法)
  3. 寄せ植えの主木位置:鉢幅
白銀比(1:1.4)直幹木の樹高:葉張り
三阿弥比(1:2)
  1. 寄せ植えの樹高:寄せ幅
  2. 株立ち、根連なりの樹高:葉張り
  3. 文人の葉張り:樹高

概ねこのバランスを基本とし、樹の特長、鉢の形、演出の狙い等に合わせ、更に微調整する方法をとっています。
各自の好みにゆだねられるべきものですが、バランスを創る手段としては、お勧め出来るものと考えます。
黄金比による模様木の樹高と葉張り

(3) 小品盆栽は、流儀、流派の無い庶民芸術であり、個々の自由な創造表現と生活インテリアのグッツです。

小品盆栽は、単に樹形を整え満足するに止まっては、楽しみ半ばであり、これ等のキャラクターを出演させた情景表現は、小品盆栽の全てを楽しむことだと考えます。