(1)樹木の特性を知る
培養する樹木の生息地や生息場所を観察し、耐乾湿、耐寒暖、耐日照、耐酸アルカリ等を考察する。これ等に基づき鉢の選定及び使用用土、灌水頻度、培養場所を選定すると培養管理が容易です。
(2)鉢の特性を知る
一般的に、次の様(表1)に大別されるが鉢の種類や大きさは用土と共に灌水頻度など培養管理に大きな影響を与えるものである。晴天の日に各々の鉢に同一用土を入れて灌水後何時間で表土及び鉢底の土が乾燥するのか検証すると、各自の培養環境に即した灌水頻度の推定が出来る。
種類 | 保水 | 乾燥 | 理由 |
---|---|---|---|
浅鉢 | ○ | 水の重力に対し水の表面量力が勝るため | |
深鉢 | ○ | 水の表面張力に対し、水の重力が勝るため | |
土鉢 | ○ | 鉢の母材に微妙な気孔があるため | |
磁器鉢 | ○ | 鉢の母材に気孔が少ないため | |
色鉢 | ○ | 鉢の母材が遮断されるため |
※表1の鉢組み合わせにより保水、乾燥の度合いを調整する。
例えば、深い(下方鉢)土鉢を使用すると水はけは最も良く。浅い色鉢や磁器鉢は保水性が良いことになる。各々使い分けて下さい。
※保水性調査には、料理用の秤を使って乾燥しやすい時期の休日に行います。
- 項目別にベンチマーク(基点)を測定し、記録する。
- 腰水を5分以上浸け最大保水状態を測定し、記録する。
- 再度腰水をして同一条件の場所に置く。
- 時間ごと水分の減少を測定し、各自の管理不可能時間に適合する樹種、鉢、用土を選定します
但し、植え替え後、用土が団粒化状態になりますと乾燥が調査値より遅くなりますので考慮願います。植え替え直後の水苔保護やネットによる擬似団粒化状態つくり等が必要です。
(3)用土の特性を知る
樹木にとって最も重要なのが用土であり、小さな鉢の中で樹木をせい息させるので
から小品盆栽培養の根幹となります。
それぞれ、安定して入手できる用土の特性を知り使用して下さい。
※私は、購入した用土を簡単に水洗いして使用しています。
理由は、用土の粉やゴミを除去ため風のある日(無いときは扇風機で)昔の人が穀物を分別する方法を行っていましたが、作業性、狙いの品質が得られず、バケツに水を溜め、この中に用土を少しずつ落下させることによりゴミを浮かせ、土粉を洗い流すことが出来ています。
(4)特性の調査や実験は、自分で行う。
各自の培養環境は、全て異なります。又、自分の家でも日当たりや風通し等場所によって異なりますので適合した手段と管理が必要です。
又、私を含む人の言葉を鵜呑みにしていますと、経験にならず、本当に良いのか悪いのかを自分で検証する事が経験です。
実験は、自分の知識や経験、今出来る可能な限りの情報を得た上の仮説の検証ですので結果がNGで在ってもしっかりした経験となります。
当然、仮設通りの結果が得られれば自信になり、次のステップアップ手段に取り組めます。
(5)用土調査
早い 遅い | ||
---|---|---|
小粒赤玉 | 大粒赤玉 | 桐生砂 |
乾燥順は用土洗浄時の乾燥時間で判断した物
PH | 主用土 | 適合樹種 |
---|---|---|
低 中 高 | 鹿沼土 | 皐月類 |
鹿沼土 | 皐月類 | |
桐生砂 | 広範樹種 | |
水 | ー | |
赤玉土 | 真柏類 | |
竹炭 | ー |
用土を泥状にしてリトマス試験紙で判断した物