培養作業目安表について

過去6年間の培養日誌に基づき樹種別に作業内容を整理しましたのでご報告致します。
結論的には、プチ盆栽の場合、丈夫で培養が容易な樹種に限定して育てることをお勧めします。

幾ら珍品であっても、培養困難樹種で結果の都度、嘆き悲しむのではたまりません。
趣味は、楽しいから継続出来るのだと思います。
毎年少しずつでも進歩、進化していく様を眺める楽しさは格別です。

培養作業目安表一覧
樹種事例(備考)
黒松2005年市場に気に入ったプチサイズが無いので始めて実生
赤松2004年知人に頂戴した山取、サビ病を持ち込み他に伝染
五葉松2004年針金かけ後の春植替えで62%が枯れる その後初秋植替
八房杜松2002年ジン付け時期の10月挿し木、径2センチ成功80%レベル
真柏2006年知人の処分品二本を接木&取り木同時作業、楽しみな樹に
津山檜2006年挿し木、2008年25mm鉢に植え付け飾れる
石化檜2007年友人より頂戴、間伸び部に接木
モミジ以前より、径3センチ挿し木成功。但し秋の切り込みで芽当たり多い物は活着率高い。(注:管理期間長く、取り木無難)
カエデ同上 但し、葉の粗い性成功率低い
ケヤキ2002年実生の中に成長の悪いものがあり結果は速くやさしい樹に
ニレ欅2006年友人より樹齢40年を譲り受け挿し木
エノキ2003年散歩道のコブを挿し木7センチ成功、2〜3センチ多数成功
チリメン桂2004年4月16日1センチ株状挿し木、9月2万円で業者渡し
ズミ12〜2月の作業閑散時期植替え、根伏せの適時
カイドウ同上、幹腐りの粗雑品石をはめ込むと盆栽世界表紙に
ウメモドキ以前より2〜3センチ挿し木多数、現在仮称「斑入り富士」準備中
ピラカンサ2007年挿し木2年目品冬季強針金で半数枝枯れ又は枯れる
カマツカ荒皮、綿毛カマツカ挿木2年目結実、日本カマツカ19年未開花
キンズ2007年根伏せ+接木、同3センチ5本挿し木100%成功
クチナシ挿し木多数、2006年6月本鉢へ挿し木10月に大阪展示会出展
ガマズミ過去例、挿木4年生7万円で売る、次週オークションで35万円
イボタ過去例、新芽摘みで発芽止まる 現在は伸ばした後切除している
蔓ウメモドキ過去例、1月2日採取の根霧吹き後ビニール袋で密閉、発芽後植
長寿梅2008年古い細枝挿し木23鉢92%成功
香丁花過去例、根伏せ100%、古枝へ針金賭け枝枯れ多数
富士桜挿し木例多数
椿(露開)過去例、藪ツバキの根に露開接木多数
草物1センチ以下のミニ草では、万年草、イワレンゲ、爪レンゲ、セッコク以外成功例なし ミセバヤも今ひとつ。
ミニバラ「あずさ」名のミニバラが小さくてよい
夏ツタ根伏せ実施するも発芽せず、芽当たり部挿し木100%
深山霧島挿し木容易、枝別れ良好。挿し木、植替え後の施肥6ヶ月後要
日榊古枝挿し木例多数、実生でも仕上がり速い
  1. 2008年5月末現在、上表の種類が7センチ以下でも盆栽としての樹形を保ち、持ち込むことが出来ると考えます。
  2. この中でも網掛けの樹種は、入手も容易でありこれ等の種類のみで展示会に事欠くことはありません。
  3. その他、良い事例がありましたら教えて下さい。


プチ盆栽培養作業目安表【友人各位】から始まる記録でした。

はじめは父の古くからの盆栽仲間
つまり『良くわかっている人』向けに作られたこの資料が
父の盆栽日誌の始まりだったのかも知れません。

成功例・失敗例合わせて全32種類。
『今から小品盆栽をやる方へ』で始まる写真つきの丁寧な盆栽日誌とは違い
判りにくい一覧表ですがこれも父の大事な記録のひとつとして公開していきます。